あなた自身があなたを治す治療室あります。

隔月刊誌 ビィ・オール JR山手線の田町駅から歩いて5分程のところに田町中央治療室がある。(注:現在は銀座むつう整体院に移転。院長は菅谷友紀さん)
ここはとても 不思議な治療室。
治療される側は腕や足を曲げられることも、ツボを押さえられることもない。痛みもかゆみも全くないのである。
何故なら、常時3~4人いる治療者の誰もが一度たりとも、患者さんの体に余計な圧力をかけないからだ。
せいぜい診断のために首や足先を動かす程度。
「じゃあ、なにが治療なの?」「どうしてこれで治るの?」
初めて来た誰もがそう思うだろう。
簡単に言えば、この治療室の先生はそれぞれの人の持つ「自然治癒力」を触らずに高めて病を治す方法を確立し、 実践しているのである。
その先生とは、木村 仁 先生。どうもこの治療室に入った場合、ここに充満している気の波動を受けて、滞っていた自然治癒力を発動する らしい。
木村先生に自然治癒力と波動の関係を伺った。

 

自然治癒力に目を向けたきっかけは?

以前は自然治癒力ではなく、外から刺激を入れて体の生動反動力を利用するという 対症療法をやっていて確かに症状はその時は改善するのですが、健康になった様子が見られない。腰痛で来てその痛みは治るんだけど、健康度がさっぱり上がっていないことに自分で認識し始めたのが昭和51年くらいでした。
うちは、 「鍼、灸治療」で非常に流行りましてね。1日に80~90人は来ていたんですよ。 皆から名人とか達人とか言われて、端から見れば何の不満もないはずなんです けど、心の内側から少しずつむなしさを感じ始めたんです。鍼灸でも自然治癒力 を引き出す事は可能かもしれませんが、その時の私はただ対症療法的にやって いたんですね。それで、これはどうしたらよいかと、色々勉強会に出ていた時、一つの勉強会に出てきたカイロプラクティックの創始者の息子の「B.J. パーマー」という方の考え方、哲学に、これだというものがあって、それを研究していたら、 ある日、自然治癒力自体が見えてきたのです。
その日から鍼・灸治療をやめ ました。年収はガクンと減っちゃいましたけど(笑)。

 

B.J.パーマーのインパクトのあった考え方とは?

一番代表的な言葉は「症状を追うな」と言う言葉です。「症状は害や悪ではないんだ」という事ですね。
何より感心したのは脊椎温度計という計器。脊椎の両側にそれを当てると左右の 温度差がグラフに表れるという計器なんですが、それで一番下の腰椎5番から 一番上の頚椎1番までを測っていくと、症状に対応して温度が低くなったりして、グラフが左右に揺れるわけですよ。人間の体っていうのは治療しなくても揺れて いるんです。ある時は高くなったりとかね。腰のところで左右の揺れがある時は 膝が痛いという人が多いですね(ほっておいても、グラフの揺れが解消すると 症状が取れてしまう)。
ところが誰でも何回測っても必ず同じようなパターンを持つところがあるんです。 上部頚椎1番2番のあたりのところが、必ず毎回同じパターンで出る。つまりそこは動いていないんですね。という事は「病気」とか「死」に近いという事です。すなわち自然環境に適合出来てないんですね。
環境がどう変わろうと、不動のパターンが出来上がっている。ですからそこを目指して治療をするんです。そして不動のパターンが変わった瞬間に「自然治癒力」が出てきたと判断して、その後はその不動のパターンに戻るまで治療はやらないようにする、という考え方です。自然治癒力という言葉を皆さん良く使いますけれど、本当に追求したのはB.J.パーマーの考え方ですよ。

 

実際先生がその方法で始めた時はどうでしたか?

全然治らない(笑)。なぜかというと、日本ではレントゲンが使えないから脊椎骨がどうなっているのか感覚でしかわからなかったんです。当初は十中八九は間違った判断をしてましたね。
後に正確度は上がりましが、精密な診断はレントゲン無しでは無理だ、と考えて「むつう整体」というレントゲンを撮らなくてもいいように改善 していったわけです。直接骨を動かさないで骨が動くような環境に設定するだけで、自然治癒力が湧き出るようにしたのです。

 

具体的にはどのように、環境を設定するのですか?

それは「波動」という言葉がキーワードなんです。
人間の身体って常に動いているんですね。微細に振動している光も電磁波も波ですし、人間という物体も物質波というものを出している。
そこで、我々人間の1番大事な脳の部分で、生きていくのに特に重要な脳幹という部分があるんですが、上は視床下部からずっと下の延髄までですね。ここが一番生命に直結する場所なんです。 ここを上手く活性化することによって、骨さえも勝手に動き出すという事を、ある時発見したんです。
その後、波動を使って脳幹と共鳴させてみよう、という研究を昭和59年に始めたんですが、その研究で共鳴する事が分かり、今では体に触らずに自然治癒力、我々の言葉で言う「イネイトインテリジェンス」が上から下へ、内から外へという方向性で働き始めるという事もわかってきました。
後は全て本人の自然治癒力にまかせます。人間の身体は常に治そうとする方向に動いているのです。目にみえない程度の波動をそのセンサーである脳幹に働きかけると、それをキャッチして、体にオートマチックのボタンが入るわけです。そして、病気の治療というコースに入っていくんですね。

 

波動を整えていく作業が大変ですよね。

そういう道具を作ったんです。
一つは光ですよね。ある特殊な色のフィルターを 通した光を当てますと、脳幹の周波数と波動が一致します。ちょうど音叉を叩くと、もう一つの音叉が叩いてないにも関わらず同じ音を出すのと同じですね。
ここに脳幹があるとします。脳幹と同じ周波数を出す光・音・そういうものを活性化させると、こちらの脳幹も震えて、自然治癒力が上から下へ、内から外へと流れていくのです。
この様にして自然治癒力が発動されると五感が鋭くなり、体も温かくなったり、軽くなったりします。そして何よりも 肯定的に、感謝を持って生活が出来るようになりますね。その心の部分が本当は何より一番大切なんです。